2007年01月26日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(9)

2週間後……
(滝の周囲に木や岩で砦を築くサイバトロンたち。トルカが木材を運び、グリムロックも槌をふるっている)
プロール「どうかしたかい?レーザーバック」
(川岸に座り、水面を見つめるレーザーバック)
レーザーバック「いや、何でもない、プロール。ただ、考えていたんだ。あの向こうのどこかで、『ビーストウォーズ』は今も進行中だ」
(ドラゴンメガトロンとパワードコンボイが戦うイメージ)
レーザーバック「メガトロンがメガトロンである以上、奴は間違いなく最善を尽くして、この惑星からサイバトロンを排除しようとするだろう。そして、やがては自らの狂気をセイバートロン星へと持ち帰るんだ。奴は私の手の内にあった、プロール、奴の脅威を永久に止める事も出来たんだ。私は時の流れを尊重し、手を加えてはならないと教えられた。だが、そいつは非常に魅力的だった」
プロール「価値あるもののためさ、レーザーバック、あんたは正しかったと思うよ。こいつはあの向こうやあの時の問題じゃない、今、ここで起きていることだ。好むと好まざるとにかかわらず、これは我々のビーストウォーズだ。我々が何を為すか、いかにして立ち上がるか倒れるかが、我々を永久に定義付けることになるだろうよ」

ここは、始まりの時……?

(終)
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2007年01月25日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(8)

サイバトロンの隠れ家:
(援軍の登場により形成は逆転し、敗走していくデストロン兵士たち。崖の上から戦況を見ていたジャガーも無言で去っていく)

ハウリンガー「よくやってくれた。ええと……」
トルカ「トルカだ。これだけ時間がかかってしまったのは申し訳ない。レーザーバックの集結シグナルを何日も追い続けていたんだ、道すがら他の仲間も拾ってな」
ハウリンガー「俺はハウリンガー。レーザーバックもおそらく、すぐに合流する筈だ。その間に優先しておきたいのは、例のトランスワープ信号増幅器だ」

(埋もれた洞窟からトルカが岩をどけ、ビーブーンとハウリンガーによってスナールが救出される)
ハウリンガー「首尾は?」
スナール「メッセージは送ったよ。届いたかどうかは知らないけど……」
ビーブーン「もし、届いていなかったら……」
ハウリンガー「それはまた別の問題さ。俺達はここに残るんだ」
トルカ「で、どうするんだ?」
ハウリンガー「もしスナールのメッセージがうまくいっていたとしても、もし救援作戦が行なわれる可能性があるとしても、古代の地球には調査しなければならない事が山ほどある。だから、俺達はここに落ち着いて、出来る限り楽に構えておこうじゃないか」
プロール「それにデストロンは?」
ハウリンガー「叩きのめして鼻っ柱をへし折ってやったが、奴らは戻ってくるだろう。奴らはいつでも戻ってくる」

(月夜の下、ジャガーの前に集結する敗残のデストロン兵士たち)
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2007年01月21日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(7)

デストロン野営地:
(レーザーバックを相手に思わぬ苦戦を強いられるマグマトロン。メガトロンを捕えた背後の装置から、白い電光が現れ始める)
マグマトロン「く、ぬぁ!」
オプティマスマイナー「今日はツイてないみたいだね?マグちゃん」
(背後を振り返ると、捕えたメガトロンの上にオプティマスマイナーが座っている)
オプティマスマイナー「まあ、もっとも、これからもっと悪くなるんだけどね!」
(メガトロンの胸に付いていた時間の位相を変える装置を取り外すオプティマスマイナー)
マグマトロン「貴様は?一体何をした?」
オプティマスマイナー「あんたのご立派な計画をぶち壊しにしちゃったのかもよ」
(マグマトロンの手を逃れるオプティマスマイナー。その間にも装置からの電光は輝きを増していく)
コンピューター「警告!トランスワープ転轍まで5、4、3、2……」
マグマトロン「おのれ、これは!」
レーザーバック「悪いな、マグマトロン」
(最後の一発を放つレーザーバック。マグマトロンは装置の上に倒れこむ)
レーザーバック「時間切れだ!」
(小爆発を起こす装置の中で、マグマトロンの体が電光に包まれていく)
マグマトロン「止めろ!こんな、筈では……!」
(最後に強烈な閃光を残して消えるマグマトロンの姿)
レーザーバック「ボンボヤージ」
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2007年01月19日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(6)

サイバトロンの隠れ家近く:
ハウリンガー「ええい!」
(上空からのレーザービーク、インジェクターの砲火に追われるハウリンガー)
ハウリンガー「奴ら、どこにでもいるな。それよりも厄介なのは……」
(ハウリンガーの前方を阻むように現れるマンテラー、テラゲーター、バズクロー、スナッパー)
ハウリンガー「その統制がとれてるってことだ」
(ハウリンガーの反対側から、ジェットストーム、スカイシャドーに追われてくるボーンクラッシャー)
ハウリンガー「ボーンクラッシャー? そうか!これはまずいぞ」
(一角に追い立てられ包囲される4人のサイバトロン)
ハウリンガー「俺達は追い寄せられていたんだ。次にどうなるか、考えたところで褒美などないがな」
(崖の上からデストロンの指揮をとっていたジャガー)
ジャガー「デストロン兵士、各自狙いを定め、砲撃用意……」
(その時、地面を揺るがすような轟音が一同を振り返らせる)
トルカ「サイバトロン戦士、奴らを一気に押し潰すぞ!」
(巨体のトルカを中心にサイバーシャーク、ホワイトクローら、これまで音信不通だったサイバトロン戦士が集結。デストロンとの激突にハウリンガーらも反撃に転じる)
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2007年01月18日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(5)

デストロン野営地:

マグマトロン「他のサイバトロンの仲間ともども、ジャガーに狩らせてそれで良しとしても構わなかったのだがな、レーザーバック、貴様の始末を自ら付けるチャンスが目の前に転がってるというのに、それをふいにすることもあるまい!」
(右肩の恐竜の口でレーザーバックに襲いかかるマグマトロン。だが、その攻撃はふいに消えたレーザーバックの体をすり抜けてしまう)
マグマトロン「ぬっ?」
(振り向くマグマトロンの背後で、左の腕に付けた装置を操作するレーザーバック)
マグマトロン「何っ?」
(背中の銃で側面からマグマトロンを攻撃するレーザーバック)
マグマトロン「ぐはっ!」
(向き直るマグマトロンだが、レーザーバックは再び左腕の装置を操作し、不可視の存在へと変じる)
レーザーバック「ちょっとした小細工さ、マグマトロン。1、2ナノクリックの間だけ局地的時間流から自分を切り離せば、誰にも見られることも触れられることもない。欠点はその連続体の中に固定化されてしまうことだが、お前達のこの気の利いた時間位相アームバンドのおかげで、私は自分の時間を選び取ることが出来るのだ!」
(一瞬だけ元の時間相に戻り、今度はマグマトロンの背中に攻撃を放つレーザーバック)
マグマトロン「ぐおっ!おのれ!動くな……」
(マグマトロンの反撃は当たらず、不意に現れるレーザーバックの攻撃だけが命中していく)
レーザーバック「観念するんだな、マグマトロン、お前に後はない」
(銃を手持ちに切り替え、正面から、至近距離から、マグマトロンに攻撃を浴びせるレーザーバック)
レーザーバック「このまま続けさせてもらうぞ!」
posted by シグマ at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック翻訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月24日

クリスマス特別編「ほしをみつめて」

スタースクリームは いちめんのぎんせかいに たっていました
そらにはゆきがまっていましたが スタースクリームは そのむこうに みえないほしを ずっとみつめていました
スタースクリームがみつめていたのは トランスフォーマーのふるさと、セイバートロンせいでした

スタースクリームは むかしから セイバートロンせいを せいふくすることを ゆめみてきました
かぞえきれないほどのサイバトロンと それとおなじくらいのデストロンを そのやぼうのために たおしてきました
しかし ついにスタースクリームは このちきゅうで 3にんのサイバトロンにつかまってしまい、きゅうみんカプセルにいれられてしまったのです
もうなんかげつ いや なんねんたったことでしょう? でも いまのスタースクリームにとって それはどうでもいいことでした
カプセルのとびらがひらいたとき スタースクリームは じぶんのほんとうのきもちに きづいたのです
デストロンのリーダーになることよりも サイバトロンとのたたかいにかつことよりも スタースクリームはいま もういちどふるさとにかえりたいと それだけをおもっていました

「ねえ きみ トランスフォーマーだよね?」
ふとみると スタースクリームのあしもとに めがねをかけた おとこのこが たっていました
「おまえにようはない うせろ!」
スタースクリームは ふきげんそうに こたえました
「なまえは なんていうの?」
「みみがきこえないのか? それとも ばかなのか? おれは うせろ といったんだ!」
いつものスタースクリームなら ちいさなにんげんなど ふみつぶしてしまうところですが いまは そんなきもちを ふるいたたせることですら おっくうでした
「きょうはクリスマスイブなんだよ そんな くらいかおを していないで もっと たのしいじかんを すごさなきゃ」
「うっとうしいやつだな これがさいごだ ほっといてくれ」
たったまま こたえるスタースクリームですが おとこのこは たちさろうとしません
「いや いやだよ! だって きみはクリスマスのことを しらないだろう? クリスマスのことをしったら きっと きみだって げんきになるはずなんだから」
「ああ! サイバトロンは なんでこんなやつらと なかよくなれるんだろうな? わかったわかった」
そういうと スタースクリームは じぶんのあたまのなかの ちきゅうのことばのデータを ひきだしました
「『クリスマス 12がつ25にち キリストのたんじょうをいわう ねんじゅうぎょうじ かぞくがあつまり プレゼントをおくる』 これでいいんだろう? さあ とっとときえて おれのじゃまをしないでくれ」
「ちがう ちがうよ! そんな きかいみたいなものじゃないんだ! クリスマスのこころというものを きみはわかっていないよ ぼくがおしえてあげるから」
とうとうスタースクリームはおこりだしてしまい おとこのこを てでつかまえました
「いいや、おしえるのはおれだ! あとひとことでもしゃべったら おまえは だいじなクリスマスのひを いきてすごせなくなるってな! わかったか?」
おとこのこは ふるえてこたえました
「わ わかったよ だから おろしてくれないか そうしたら ぼくはうちにかえるからさ」
おとこのこを じめんにおろしてやりながら スタースクリームはいいました
「かんたんにいってくれるよな おまえには いえがあって いつでもそこにかえれるんだからな うらやましいぜ」
スタースクリームは たちさるように ゆびをさしました
「さあ おれにはできないことだ おうちにかえりな!」

しばらくめをとじていたスタースクリームですが
「まだそこにいるのか?」
めをあけると おとこのこは まだ スタースクリームのあしもとに たっていました
「う うん ねえ もしきみが クリスマスのほんとうのすがたをみたら きっと もっとたのしくなれると おもうんだけどな」
「やれやれ おまえがそこまですすめるんだったらな」
スタースクリームは ジェットきのすがたに トランスフォームしました
「わあ かっこいい トランスフォームだ!」
スタースクリームは うでをのばして おとこのこを そうじゅうせきに のせてあげました
「ようし! ねえ どこへいくの?」
「さあな おまえがいった クリスマスのこころっていうのは どっちにあるんだ?」
「ええと そうだね このみちにそっていって うんがよければ だれかがプレゼントをこうかんしているのを みられるはずだよ」
「そいつはまちきれないな」
スタースクリームは ばかにしたように いいました
「ばかにしたきゃ してもいいけど でも きみは プレゼントといっしょにつたわる きもちを わからないと」
そうじゅうせきのなかで おとこのこは せつめいします
「それこそが クリスマスの ほんとうの おくりものさ そうやって まずしいひとは やすらぎをもらい ぜつぼうしたひとは きぼうをもらうんだ なにかをあげるってことは さいこうにきもちのいいことなんだよ」
「ふん あげるのは よわいやつらのすること つよいやつは うばうんだ」
そらをとぶスタースクリームのしたで いちだいのパトカーがきゅうにほうこうをかえて スタースクリームのあとを おいかけていきました
「にんげんのかんがえることは サイバトロンとおなじだな」
「すくなくとも きもちだけは すなおにもっていてね」

しばらくとんでいくと いちだいのバスが ゆきみちでとまっているのが みえました
「ねえ あのバス ふきだまりで うごけなくなっているよ おろして」
スタースクリームは ロボットのすがたにトランスフォームして じめんにおりました
そうじゅうせきから ほうりだされた おとこのこも しっかりうけとめてあげます
「ナイスキャッチ! みて バスにのっているのはおとしよりだ たぶんクリスマスのおいわいに むかうところだったんだよ」
おとこのこは スタースクリームのてから とびだしていきました
「きっと このひとたちは このいちねんかん このりょこうを たのしみにしていたんだ でも いま ふきだまりでうごけなくなって みんなこごえてしまっている」
「だから?」
おとこのこのいうことは スタースクリームにはよくわかりませんでした
「だから バスをうごかして たすけてあげるんだよ それがきみからのクリスマスプレゼントになるんだ!」
「だけど それで おれにどんなとくがあるんだ?」
「ぼくをしんじて やってみればわかるよ きっとおどろくよ」
スタースクリームがバスにてをかけた そのときです スタースクリームのうしろからちかづいてきたパトカーが ロボットにトランスフォームして スタースクリームに じゅうを うちました。
「てをはなせ デストロン! にんげんたちよ もうだいじょうぶだ このストリートワイズが たすけにきたぞ」
プロテクトボットの げいげきいん ストリートワイズです
「うんがよかったな スタースクリームが わたしのうえをとんだときに やつをスキャンしたんだ」
ストリートワイズは じゅうで さらにスタースクリームをこうげきします
「ついてないな スタースクリーム にどと ひとさまに めいわくをかけられないように してやるぜ!」
「ちっ あのガキの いうことをきくのに いそがしくて こいつが ちかづいてくるのに きづかなかったとはな」
しかし スタースクリームも デストロンのつわものです
「もっとも サイバトロンひとりをスクラップにするのに ておくれなんてことはないがな」
りょううでのナルビームで はんげきです
「おっと じゅうではかなわないか」
ストリートワイズは あわててよけました
「だが カーモードなら スピードは うえだぜ」
パトカーにトランスフォームして ナルビームをかわします
「そして ちかづいたら こんなことも できるんだ!」
ロボットにトランスフォームしたストリートワイズの たいあたりで スタースクリームは はねとばされていきました
「かみさま おお こんなちかくにまで」
「そうじゃ まさか あいつらが ことしのサンタのかわりじゃあるまいな」
バスのなかのおとしよりは ちかくでたたかう スタースクリームたちのすがたに いきたここちが しませんでした
「これでおわりだ デストロン」
とびかかってきたストリートワイズを スタースクリームが けりかえします
「ばかをいえ ストリートワイズ くたばるのは てめえのほうだ」
「やめて! もうやめてよ!」
おとこのこが あいだにはいりました
「このデストロンは みんなをきずつけようとしたんじゃない たすけようとしていたんだ」
おとこのこは ストリートワイズにむかっていいます
「きみがこうげきしてきたせいで このひとたちは もうすこしで けがをするところだったんだよ ぼうりょくで かいけつしようとするなら きみたちのてきと かわらないじゃないか」
「そういうことだ サイバトロン くやしかったら ないてみろ」
スタースクリームは かたてで バスをもちあげて ふきだまりから だしてあげました
「さあ にんげんども おまえたちは じゆうだ」
「いやあ おおきいの たすかったよ」
「15メートルのサンタさんじゃな」
おとしよりたちは くちぐちに おれいのことばを いいました
「し しんじゃられない デストロンが こんなことを」
ストリートワイズは おどろきを かくせません
「ふふん そいつはな」
「クリスマスだからさ!」
スタースクリームのことばに おとこのこが つづけます
「そうか まあいい わたしは このバスが もくてきちにつくよう おくっていこう きみは まだ そのデストロンと いっしょにいるつもりかい?」
「うん ぼくなら だいじょうぶだよ!」
しんぱいそうに パトカーにトランスフォームする ストリートワイズでしたが おとこのこは げんきにこたえました
「ありがとう!」
「きをつけて!」
「よいいちにちを!」
おとしよりたちは おわかれのことばをいいながら ストリートワイズといっしょに さっていきました

スタースクリームとおとこのこは ひろばにある おおきなクリスマスツリーのまえに やってきていました
「わかったでしょう だれかに なにかをしてあげると じぶんも しあわせなきもちになれるって きっとこんどは きみが だれかにたすけてもらえるばんだよ」
「そいつはどうかな」
「そんなこといわないで あのバスのひとたちが おれいをいってくれて きみもうれしかったでしょう」
スタースクリームをはげまそうとする おとこのこでしたが スタースクリームのへんじは つめたいものでした
「かんちがいするな おれはただ あのサイバトロンに はじをかかせてやったのが おもしろかっただけだ」
「ほ ほんきじゃないよね? きみにとって あのできごとは それだけのためだったの? ぼくには なんていったらいいのか わからないよ でも」
いつのまにか おとこのこのめには なみだがあふれていました
「メリークリスマス」
おとこのこは ただ それだけを くちにしました
「ふん」
スタースクリームは おとこのこをのこして ひろばから でていこうとします
でも さいごに すこしだけ ふりかえって こういいました
「そうそう メリークリスマスだ ぼうず」
そのとき ゆきがイルミネーションのひかりをうけて うちゅうにかがやくほしになったかのように おとこのこには みえました

(おわり)
posted by シグマ at 23:47| Comment(1) | TrackBack(0) | コミック翻訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月01日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(4)

サイバトロンの隠れ家:
(滝を見下ろす崖の上)
ジャガー「マンテラー、報告しろ」
マンテラー「サイバトロンの数はおそらく5人か6人、左から3つ目の突き出た所に隠れてやがります。見張りは2人、オートガンその他の装備がある形跡は無し」
ジャガー「ほう、面白い!地上部隊を両翼の位置に着かせろ。まず奴らを追いたて、それから皆殺しにするのだ!」
(崖から一斉に飛び降りるマンテラー、スピッター、スカベンジャー、バズクロー、スカージ、テラゲーター、スナッパー、クワガイガー)

(隠れ家の内部。組み立てが終わった送信装置と増幅器を前にするスナール、ビーブーン、ハウリンガー)
スナール「オーケー、予行演習だ。ビーブーン」
ビーブーン「主電源。短波長バースト、0.5ナノクリック」
スナール「ハウリンガー」
ハウリンガー「バッファー。交信制動器が赤なのを確認。出力が許容範囲に維持されたら、送信準備よしだ」
スナール「レーザーバックより重要メッセージ。コールサイン:ブレーカー・ナイナー・ヴァーチュー。マグマトロンが地球で再初期化されたプロトフォームを利用して新兵を補充中。セイバートロン星への攻撃が急迫。周辺監視施設の包括的なアップグレードを要請する」
(ハウリンガーに振り向いて)
スナール「時間は?」
ハウリンガー「7.6ナノクリックだ」
スナール「くそっ!長すぎたか。もっと……」
(突然崩れ始める洞窟)
ビーブーン「何だ?」
(見張りについていたラムラスとボーンクラッシャー)
ラムラス「お客さんだ」
ボーンクラッシャー「デストロンか。お情けの時間だか何だか分からないが、ようやく逃げ出す事も出来たものを!」
(空中から洞窟に攻撃をかけるデストロン)
ハウリンガー「ここにいては生き埋めにされるぞ!」
スナール「あんた達4人は脱出してくれ。俺はメッセージを送る」
ビーブーン「何だって?それは駄目だ。一人でなんて出来る筈が……」
スナール「早く!洞窟から奴らの攻撃を逸らして欲しいんだ。全員がここにいたら全滅だ」
ハウリンガー「しかし君を置いては……」
スナール「それでも行くんだ。どっちにしろ俺達は命拾いしたに過ぎない。だから、その猶予を大事にしてやろうぜ。さあ、頼む、行ってくれ!」
(砲火の中、洞窟の外へビーストモードで脱出するビーブーン、ハウリンガー、ボーンクラッシャー、ラムラス)
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2006年11月29日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(3)

デストロン野営地:
グリムロックとマグマトロンが分離した恐竜3匹との激しい戦い。スカイサウルスが頭を押さえ、シーサウルスが首に巻きつきながら右前脚に噛み付き、ランドサウルスが頭突きを食らわせる)
グリムロック「はぁっ、ふぅっ、ぐぉっ!」
ランドサウルス「死ね、落ちろ!貴様はそれほどまでに自分達の大義が大事なのか、それとも自分が敗れたがどうかも分からないほど愚かなのか?」
(スカイサウルスとシーサウルスが離れる。クラクラと眩暈を起こすグリムロック)
グリムロック「たぶん……りょうほうぅぅ……」
(そのまま横に倒れて気を失うグリムロック)
ランドサウルス「時間は?」
コンピューター「トランスワープ転轍まであと5.6サイクルでカウント中よ」
ランドサウルス「よし」

(ロボットモードに合体し、装置に横たえられているメガトロンを見下ろすマグマトロン)
マグマトロン「メガトロン、貴様に対して悪意は無い。だが、トリプティコン評議会は貴様を即時に裁判にかける事を望んでいる。儂が今暫くの間、忠実な下僕の役を演じるには、それが好都合なのだ。少なくとも儂が立ち上がり、セイバートロン星を武力で奪い取るまではな。おそらく、あるいは、いつの日か、貴様にも居場所ができるだろう、儂の新たな支配体制の下でな!」
(その背後に立つレーザーバック)
レーザーバック「結局、縁が切れたままになってしまったな。お別れの挨拶をしてくれる時間はもう無いかい?」
マグマトロン「レーザーバック、貴様には……時間を作ってやろう!」
(振り返ってニヤリと凶暴な笑みを浮かべるマグマトロン)
posted by シグマ at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック翻訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月28日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(2)

(イグナーの胴体を踏み潰し、もぎ取った左腕を口にくわえるグリムロック)
グリムロック「いつもおなじ、ねむって、おきると、きげんわるい。うらみないが、それ、かたづけなきゃならないしくみなだけ!」
マグマトロン「そこまでだ!貴様らサイバトロンが厄介者から障害物に変わるのに時間はかからんな。いつもなら貴様を粉砕して終いとするところだが、儂にはこれからやらねばならぬ事、行かねばならぬ場所がある。今すぐ引き下がるなら命は助けてやろう。これは一回だけしか言わぬぞ」
グリムロック「ひき、さがる?」
マグマトロン「いいだろう、分かりやすく…」
(マグマトロン、3体に分離)
ランドサウルス「…体に教えてやろう!」
(3体の恐竜がグリムロックに襲いかかる。その激しい戦闘の外で、マグマトロン達がメガトロン捕獲時に使った装置を盗み出すオプティマスマイナー)

サイバトロンの隠れ家:
(トランスワープ増幅器の修理を行なうスナール)
ビーブーン「我々の儚い夢や希望がこんな物にかかっているのか?」
スナール「おい!俺だって出来るだけの事はやってるんだぜ。アークから持ってきた馬鹿でかい骨董品の部品と最先端のトランスワープ増幅器をくっつけようっていうんだ。どれだけ大変か分かるだろ!」
ハウリンガー「落ち着けよスナール。君が難しい条件でベストを尽くしている事はみんな分かっているさ。ビーブーンはただ、考えるより先に口が動いただけだ」
スナール「いや、ハウリンガー……あいつは正しいよ。奇跡が起こってこいつが動いたとしても、組み立てた物が焼き切れるまで、セイバートロン星にメッセージを送れるのはおそらく長くて3〜4ナノクリックなんだ。電力定格はメチャクチャだし、再測定する方法もない」
ハウリンガー「つまり?」
スナール「2度目のチャンスは無いって事さ。俺達に必要なのは、簡潔さ、明確さ、それに幸運だ!」
(隠れ家の周囲を飛び回るデストロン航空部隊の影)
posted by シグマ at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | コミック翻訳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月08日

ビーストウォーズ ザ・ギャザリング#4(1)

地球。紀元前約10,000年:

スカイシャドー「見つけやしたぜ」
ジャガー(通信)「確かか?」
スカイシャドー「確かも確か、奴らの巣まるまるでさぁ」
(上空からサイバトロンの拠点のある滝を見下ろすスカイシャドー)

ジャガー「良くやった。反復は不要、交戦もするにゃ。私自ら確かめたい。全デストロン兵士、こちらは戦場指揮官ジャガー……スカイシャドーの位置を追跡し、集結せよ……仕留めに向かうぞ!」
(背中のジェットを噴射し急行するジャガー)

デストロン野営地:
(木の上から様子を伺うレーザーバックとオプティマスマイナー)
オプティマスマイナー「なあ、注意をそらす必要があるって言ってたけど、オイラが思うにこれって、大チャンスだぜ!」

(ドリルビットを尻尾で跳ね飛ばし、地面に押さえ込んだイグナーの頭に食らい付くグリムロック)
ドリルビット「ぎゃぁっ!」
グリムロック「ばかなデストロン……おれグリムロック、さいきょうのビースト!」
イグナー「あがが!」

オプティマスマイナー「グリムロックって、あのグリムロックか?」
レーザーバック「彼もアクサロンの乗員名簿の中にあった、もっともステイシス状態だったがな。つまりはそういう事だ」
(木から降りたレーザーバックとオプティマスマイナー)
レーザーバック「だがオプティマスマイナー、君の言う通り、これは我々にとってチャンスだ、おそらく一度きりの。何をやるかは分かっているな」
(レーザーバックをその場に残し、草むらの中に隠れながら移動するオプティマスマイナー)
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