2014年01月21日

NYT:Hasbro Gives Its Transformers Toys a New Look(その1)

30年前にハズブロがトランスフォーマーの玩具ラインを開始した時、その概念は単純なものだった。“more than meets the eye.”と口にするよりも早く、乗り物に変わるロボットだ。

しかし長年ブランドが進化するに従って、玩具は一つの変形に何十ものステップを要するような、より複雑なものになっていった。ハズブロの最高経営責任者ブライアン・D・ゴールドナーの目には、玩具がその魔法を失ってしまったように映った。

「私たちは途方もないほど洗練されたロボットを作ってきました」彼は言った。「しかしそれは1000ピースのパズルのようにもなり得るものなのです」

『トランスフォーマー』の映画3作で、ロボットが一瞬のうちに変形することを可能にした大予算の特殊効果に魅せられたゴールドナー氏は、玩具がそうしたロボットに回帰する必要があると決意した。そのため、デザインチームに再考を求めた。今、ブランドの30周年にあたり、ハズブロはこの玩具の新たな型を示そうとしている。その中には、ボタンを押すだけで、あるいは手首を動かすだけで変形を完了させる単純操作も含まれている。

新たなロゴやパッケージを含むラインの作り直しは、パラマウント・ピクチャーズの映画第4作『トランスフォーマー/ロストエイジ』の公開に合わせることを意図したものだ。小売業者には、今週ロンドンで行われる年一度の産業展示会であるトイフェアでお披露目される。

「小売のパートナーたちはとても興奮しています」玩具部門のシニアデザインディレクター、ジョシュア・ラムは言った。「このブランドの再考は、長期展開に備えてのものなのです」

玩具は映画公開の数週間前、5月に小売店の棚に並ぶ予定だ。映画に対するプロモーションと、TVや劇場、および携帯やソーシャルメディアなどのデジタルプラットフォームでの広告を含むそれ自体のマーケティングキャンペーンが基になると、ハズブロは述べる。

ゴールドナー氏は長くにわたってトランスフォーマーの擁護者だった。彼らの物語が映画になり得るものと確信して、2003年にハリウッドのドアをノックし始め、スティーブン・スピルバーグを含む何人かのプロデューサーの注意を惹いた。2007年に公開された映画第1作は全世界で7億ドルを超え、ハズブロを老舗玩具メーカーからマルチメディア企業に移行させたと称賛される。
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2014年01月20日

EXODUS CHAPTER ONE その9

 アイアコンの記録官であるアルファ・トライオンは、オライオン・パックスよりもはるかに年上であった。サイバトロン文明の最盛期である、スペースブリッジによる拡張時代から生きているという噂もあった。それはつまり、次元の橋に乗って他の星に行くことができたということに違いない……。
 「オライオン・パックス」アルファ・トライオンが言った。「わしの作業の邪魔をするのは何用があってのことかね?」
 「助言を頂きたいのです」オライオンはメガトロナスの記録を起動した。アルファ・トライオンは尖筆(スタイラス)を下ろした。それは彼が机の上に置いてある一冊の本に記入するために使っているものだった。アイアコンの記録官は、サイバトロン星の歴史上で起きたことの実質的にほぼ全てを記録したデータベースと限りない数のハードコピーを所有していながらも、尖筆と本を自らのインターフェースにしていた。オライオン・パックスが知る年長のサイバトロニアンの多くがそうであるように、アルファ・トライオンは変わり者であった。
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2014年01月17日

EXODUS CHAPTER ONE その8

 オライオン・パックスは耳を澄ませた。新しい声についての照合を行うが、それはサウンドウェーブとショックウェーブ、いずれとも異なるものだった。以前にもその二人の声は聞いたことがあり、それぞれについての記録とデータベースが残っていた。
 しかし新しい声は、オライオン・パックスがメガトロナスの仲間を追跡するために作り上げてきた索引には無いものだった。誰なのだ?
 調査することはオライオン・パックスの仕事ではなかった。彼は監視し、観察し、記録する。調査員はまた別の身分の者だ。
 彼はそれでも、オブザーバーであるアルファ・トライオンに報告することはできた。オライオン・パックスは新しい声をサンプルし、数サイクルかけて報告書をまとめた。彼がアルファ・トライオンに対面を求めるのは正当な理由があるときのみであり、そして理由の正しさを証明するものでもあった。
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2014年01月16日

EXODUS CHAPTER ONE その7

 「我々は個人なのだ! 自由になりさえすればな!」メガトロナスの声がオライオン・パックスの頭をかき貫いた。仲間の監視員たちがこれを聞いたら何を思うだろうか?
 彼らなら、このメガトロナスのことを1ナノクリックのうちに報告することだろう。そうに違いない、とオライオン・パックスは思った。それに答えるかのようにメガトロナスが言った。「最高議会。もし今これが奴らの耳に入れば、我は密かに鉄屑にされて葬られるだろう。それは疑いない。奴らは今まさに聞いているかも知れん。たとえ我が消えることになっても、我のしてきたことを引き継いでほしい。サウンドウェーブ、お前とショックウェーブが引き継ぐのだ。お前たちは我の信頼する副官だからな」
 二人目の声が聞こえた・「副官? あなたは今や一軍の将というわけですか、メガトロナス?」
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2014年01月14日

EXODUS CHAPTER ONE その6

 「サイバトロニアンを作る素材は皆同じではないのか? この体と同じ合金が最高議会議員のフレームにも使われ、この体と同じ潤滑油が十三人のプライムの関節にも流れていたのだ!」メガトロナスの声は、ケイオンの工場の巨大機械のように、かすれ、きしんだものだった。オライオン・パックスは自分と同じ身分の他のサイバトロニアンたちの列を見渡した。彼らのすべてが、そのキャリアを監視と分類、そしてアイアコンの膨大なデータベースを埋めることに費やしていくのだろう。それが、オライオン・パックスが生まれる前からのサイバトロン星の文明のあり様だった。
 しかし彼らの体を構成する素材もまた、記録官のアルファ・トライオンや最高議会のメンバーのものと同じであるのだ。
 議員が、通信を監視することに己の人生を費やすだろうか?
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2014年01月13日

EXODUS CHAPTER ONE その5

 通信は断片的で歪んだもので、ケイオンの金属のはらわたの奥深くから生じていた。そうした下層レベルとグリッド受信機との間で、産業工程から発する莫大な雑音を拾っているのだ。その産業が動かしているのはケイオンと、そしてオライオン・パックスには分かっていた、サイバトロン星の文明だ。精製された原料なしで生み出されるものは存在しない。それはケイオンと、そこからハイドラックス高原との間に広がるバッドランドで起きていた。バッドランドがサイバトロン星の必要としているものを供給している以上、最高議会は剣闘士のピットに目をつぶるであろうということだ。
 オライオン・パックスはそれがいつまで続くのだろうかと考えた。彼はどこに分類するかを決めることになる指をインターフェース上に漂わせながら、メガトロナスの最新の通信に耳を傾けた。
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2014年01月12日

EXODUS CHAPTER ONE その4

 二人、あるいはそれ以上のサイバトロニアンが互いをバラバラにし合おうとする光景を楽しみにしていると認めるものは少ないだろう。とはいえ、ケイオンの下層にあるピットはサイバトロン星でも最も人気のある観光地の一つであり、絶えず放映、再放映される様々なトーナメントについての話題でグリッドは盛り上がっていた。ケイオンにおいて剣闘士興行に比肩する産業は、再生と改造である。ケイオンおよび、その剣闘士興行におけるライバル都市であるスローターシティの機械外科エンジニアの腕は比類のないものであった。闘技場の戦いはサイバトロン星全域で違法とされていたが、最高議会は賢明なことに、身分に閉じ込められた民衆がある種のはけ口を必要としていることも理解していた。ゆえにケイオンのピットは、巨大鋳造工場に勤める労働者たちの気晴らしの場としてはるかな昔に設けられ、今ではサイバトロン星の法外の存在とはいえ、その立場を強固なものとしていた。スローターシティにしても、その状況は同じようなものだった。
 だからこそ、オライオン・パックスが見聞きしている哲学的としか言えないような議論が、ケイオンやスローターシティから上ってきたというのは奇妙なことであった。しかもその出所は、ケイオンのピットにおける違法のチャンピオンである、このメガトロナスという人物なのだ。
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2014年01月04日

EXODUS CHAPTER ONE その3

 今やオライオン・パックスのようなサイバトロニアンは星々に行くことはないだろう。プライム達の偉大な理想のために気高く戦うこともないだろう。オライオン・パックスのようなサイバトロニアンは、グリッド上の通信を監視し、評価し、分類する。なぜなら、それが自分の身分のサイバトロニアンが行う事だからだ。他の身分には建設や工作をする者、統治する者、法を作る者……あるいは闘技場で戦う者たちもいた。
オライオン・パックスは最近、奇妙にもそこから流れてくる興味深い通信を聞いていた。彼はアリーナに大した関心を抱いてはいなかったが、それでも最新のチャンピオンであるメガトロナスのことは知っていた。その名を名乗っているということが、まったく彼の心を捕らえていたのだった――十三人のプライムの一人にして、その偉業を今なお歴史のメガサイクルに響かせている名前の重みを背負っているとは、只者ではないだろう。このメガトロナスは、闘技場における経歴の初期より、一つの試合として敗北を喫したことはなかった。剣闘士は始め名を持たず、その多くは名を持たぬまま生涯を終える。メガトロナスは単に名を名乗っただけではない。その名は剣闘士試合のごとき低俗な娯楽に注意を払わないふりをしている身分にとっても、注意を惹かれて仕方の無いものであった。
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2014年01月02日

EXODUS CHAPTER ONE その2

 記録会堂の内部では、別の種類の停滞が存在していた。サイバトロン星の歴史、神話の時代に何十億サイクルにもわたって行われた十三人のプライム達の間の戦いから、オライオン・パックスが監視することを委ねられた最新の周波帯にある最新のメッセージまで、ここにはすべてがあった。そのすべてが分類され、目録が作られ、蓄積され、索引と相互参照が付けられていた。その後は、最高議会やその他公共機関が市民秩序に対する脅威に関心を持ったときを除いては、絶えず増え続ける記録会堂の収蔵は無視されていた。
 かつて――あるいはオライオン・パックスが古い記録から理解しているところによれば――サイバトロン文明は別の恒星を周る他の星々との繋がりを保っていたのだという。失われて久しい技術によって建造されたスペースブリッジのネットワークを通じ、サイバトロン星からはるか彼方の惑星に移り住んだ移住民とサイバトロン星との間には接触があった。ギガンション、ヴェロシトロン、あのハブでさえも、すべてはかつて大サイバトロン文明の一部であったのだ。今やスペースブリッジは、崩壊し退化して久しい。その最後の一つは、二つの月とアステロイドベルトの間の宙に浮かんだまま、長く使われることはなかった。常にはテレトラン=1やデータネットの記録から何でも掘り起こすことができるオライオン・パックスにとってすら、それがどのくらい長期にわたるのか正確なところは定かでなかった。
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2014年01月01日

EXODUS CHAPTER ONE その1

 アイアコンの記録会堂(ホール・オブ・レコーズ)は、一般には非公開であった。公文書の山の中、オライオン・パックスという名の監視員が、身分(カースト)の伝統と慣習に従って設置されたワークステーションの前に座っていた。彼はサイバトロン星全体を不可視に張り巡らされたコミュニケーション・グリッドを使い、グリッドを流れるあらゆる通信を監視し、記録していた。一定の基準に触れるものがあれば、彼はそれを注意深く聴き、注釈を付け、分類し、データネットの様々なセクターへと保存するのだった。
 大都市アイアコンの多くの建物と同じように、会堂は金色の合金で建造されていた。曲線を描く建築様式は、都市の他のいかなる場所にも勝るものであった。アイアコンの建築家たちが好むものは、円錐形の頂上部を持ちそびえ立つ記念碑的な建物で、それはあたかも空に飛び出していくかのように見えた。都市全体が向上心を讃える記念碑であった……ただし讃えられるべき向上心は、もはやサイバトロニアンの誰ひとりとして持っていなかった。彼らは生まれついた身分を、生涯を通じて守っていた。サイバトロン星の文明はすでに数千年にわたり、完全な停滞状態にあった。アイアコンはいくつかの点においてサイバトロン文化の記念碑であったが、その文化は今あるサイバトロニアンのメモリーバンクにはもはや存在しなくなっていた。
Transformers: Exodus: The Official History of the War for Cybertron [マスマーケット] / Alex Irvine (著); Del Rey (刊)
posted by シグマ at 18:14| Comment(2) | TrackBack(0) | TRANSFORMERS: EXODUS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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