ボックスオフィスで総計30億ドルにも達する映画シリーズは、商品売上を押し上げる。映画が公開された3年間、ハズブロの売上とライセンスの総収入は16億ドル以上に上った。しかし、映画のない年で売上は落ちる。前回の映画が公開された2011年、ハズブロの男児玩具の総収入は18億2000万ドルで、前年比35%の増加だった。しかし翌年の同部門の総収入は、13%減少の15億8000万ドルとなった。
新たな型は小売の売上を支えることに役立つ筈だと、モーニングスターのアナリスト、ジェイミー・M・カッツは話し、デザインの見直しはこのところ期待されていたものだと付け加えた。「玩具は30年前、もっと単純な物でした」彼女は言った。「すべては進化し続けなければならないのです」
玩具の簡素化された変形は同時に、最近の子供たちが求める即席の満足感に取り組むものでもあると、彼女は言った。「このような玩具は、彼らが行こうとしているところに、より早く到達させてくれるのです」
ラム氏は、ブランドが何年にもわたって少し本筋から逸れてきていたことを認めた。「新しいデザイナーやエンジニアたちがこのブランドに取り組み続けるにつれて、より複雑なものになってきてしまいました」彼は言った。30年前のシリーズ誕生以来玩具を集め続けている大人のファンに向けて、ハズブロはこれからも複雑なトランスフォーマーを作り続ける予定だ。しかし新たなデザインは、変形を難しすぎると感じた親と子供たちを、もう一度喜ばせることを狙いとしている。
玩具の複雑性を減らそうという動きは、ブランディングにも拡大している。このシリーズはさまざまなTV、映画、キャラクターのクラシックバージョンなどを反映して、複数の玩具ラインを発売することが多く、玩具の陳列棚に混乱を招いていた。今後、すべてのトランスフォーマー玩具は、一つの目立つロゴのもとで発売されることになる。
パッケージデザインは玩具とそのギミックを目立たせるべく簡略化され、クリエイティブブランドマネージャーのジョナサン・ニューカーク曰く「可能な限り大きなスペースを、キャラクターを称賛するために」残している。
「これらは必ずしもマーケティングの小手先のごまかしではありません」ニューカーク氏は言った。「これは単なるブランディングよりも深いところを目指すものです。我々は余分なものを入れないことで、本質がものを言えるようにしようとしているのです」