2014年01月12日

EXODUS CHAPTER ONE その4

 二人、あるいはそれ以上のサイバトロニアンが互いをバラバラにし合おうとする光景を楽しみにしていると認めるものは少ないだろう。とはいえ、ケイオンの下層にあるピットはサイバトロン星でも最も人気のある観光地の一つであり、絶えず放映、再放映される様々なトーナメントについての話題でグリッドは盛り上がっていた。ケイオンにおいて剣闘士興行に比肩する産業は、再生と改造である。ケイオンおよび、その剣闘士興行におけるライバル都市であるスローターシティの機械外科エンジニアの腕は比類のないものであった。闘技場の戦いはサイバトロン星全域で違法とされていたが、最高議会は賢明なことに、身分に閉じ込められた民衆がある種のはけ口を必要としていることも理解していた。ゆえにケイオンのピットは、巨大鋳造工場に勤める労働者たちの気晴らしの場としてはるかな昔に設けられ、今ではサイバトロン星の法外の存在とはいえ、その立場を強固なものとしていた。スローターシティにしても、その状況は同じようなものだった。
 だからこそ、オライオン・パックスが見聞きしている哲学的としか言えないような議論が、ケイオンやスローターシティから上ってきたというのは奇妙なことであった。しかもその出所は、ケイオンのピットにおける違法のチャンピオンである、このメガトロナスという人物なのだ。
posted by シグマ at 00:19| Comment(4) | TrackBack(0) | TRANSFORMERS: EXODUS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
気付けば1週間放置〜。
Posted by シグマ at 2014年01月12日 00:20
お疲れさまです。楽しく拝見しております。「その2」の訳文で、原典では"greater Cybertronian culture." となっていた部分を「大サイバトロン文明」と訳されてる所がどことなく松本零士先生作品っぽく、松本先生直系でTFとは縁深いまがみばん先生繋がり?とか思ったりしました。(考えすぎ)
Posted by まつまるたかひこ at 2014年01月12日 14:36
ありがとうございます。
「大サイバトロン文明」の下りは特に意識したわけではなく、辞書にあったGreater London(大ロンドン:英国の首都圏的なもの)やGreater East Asia Coprosperity Sphere(大東亜共栄圏)などを参考に当てました。
ちょっとSF架空歴史的な響きが出て、自分でも気に入ってます(笑)。
Posted by at 2014年01月13日 00:35
↑あ、名前抜けてた。
Posted by シグマ at 2014年01月13日 00:37
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