だからこそ、オライオン・パックスが見聞きしている哲学的としか言えないような議論が、ケイオンやスローターシティから上ってきたというのは奇妙なことであった。しかもその出所は、ケイオンのピットにおける違法のチャンピオンである、このメガトロナスという人物なのだ。
2014年01月12日
EXODUS CHAPTER ONE その4
二人、あるいはそれ以上のサイバトロニアンが互いをバラバラにし合おうとする光景を楽しみにしていると認めるものは少ないだろう。とはいえ、ケイオンの下層にあるピットはサイバトロン星でも最も人気のある観光地の一つであり、絶えず放映、再放映される様々なトーナメントについての話題でグリッドは盛り上がっていた。ケイオンにおいて剣闘士興行に比肩する産業は、再生と改造である。ケイオンおよび、その剣闘士興行におけるライバル都市であるスローターシティの機械外科エンジニアの腕は比類のないものであった。闘技場の戦いはサイバトロン星全域で違法とされていたが、最高議会は賢明なことに、身分に閉じ込められた民衆がある種のはけ口を必要としていることも理解していた。ゆえにケイオンのピットは、巨大鋳造工場に勤める労働者たちの気晴らしの場としてはるかな昔に設けられ、今ではサイバトロン星の法外の存在とはいえ、その立場を強固なものとしていた。スローターシティにしても、その状況は同じようなものだった。
だからこそ、オライオン・パックスが見聞きしている哲学的としか言えないような議論が、ケイオンやスローターシティから上ってきたというのは奇妙なことであった。しかもその出所は、ケイオンのピットにおける違法のチャンピオンである、このメガトロナスという人物なのだ。
だからこそ、オライオン・パックスが見聞きしている哲学的としか言えないような議論が、ケイオンやスローターシティから上ってきたというのは奇妙なことであった。しかもその出所は、ケイオンのピットにおける違法のチャンピオンである、このメガトロナスという人物なのだ。